カッコ( )つきの希望 [本]
図書館で花村萬月さんの「希望(仮)」を借りて読みました。
花村萬月さんは、名前は聞いたことあるな…程度で、
どんな作風の人なのか、まったく知らなかったのですが…。。
驚きました。なんかいろいろ。
主人公の山下幸司くんの、転落というか、転身というか、転がりっぷりがすごい。
東大の受験で、カンニングを疑われて失格し、
周囲の期待の大きさから「このまま家には帰れない…」と思いつめてしまうところまでは、
「まぁ、あるかな…」と思ったけれど、そこからあれよ、あれよといううちに、
原発の点検作業員として働くって、なんでそうなっちゃう??
セリフの掛け合いは、笑ってしまうぐらいノー天気なところもあるし、
小説だからこそ、気楽に読んでいられる展開だけれど、
これって、どこまで現実に近づけて書いてあるんだろう…と思うと、
途中ぞっとしてしまうところもあった。
でも、まぁ、全体的には青春小説で読後感は悪くない。
あと、暴力と性がわりと生々しく描かれているわりには
(とくに暴力が「そこまではいらんわ」と思ったりするところもあったのですが)、
すがすがしさと愛嬌がある。
その理由は、主人公の山下くんが、素直でかわいげのある人物として、描かれているからだと思う。
あとは、セリフの力が大きいと感じた。
大学のころに男子同士がちょけて(ちょけるって方言かな)もりあがってるときの会話を、横で聞いてる感じがした。
小説って、ストーリーを運んでいかないといけないので、
どうしても会話がわざとらしくなりがちだけれど、それを感じへんかったなぁ。
「あほやなー」って感じが、私が言うのもなんですが、空気感がすごく出てて、うまい。
冷静に状況を考えると、「どうなん?これ」とか「きっついなぁ、、」と思ったりもしたのですが、
大阪弁のせいか、軽みがあって、思わず笑ってしまうパワーがあった。
また、主人公が「キミ」(主人公の片思いの相手という設定。名前は登場しない)にあてた手記という体裁も、まるで読者に語りかけているように感じさせる効果があって、うまいなぁと。。
でも、じゃあ、花村萬月さんのほかの作品も読むか…と聞かれると、
今は、もうお腹いっぱいな感じやねんけど。
花村萬月さんは、名前は聞いたことあるな…程度で、
どんな作風の人なのか、まったく知らなかったのですが…。。
驚きました。なんかいろいろ。
主人公の山下幸司くんの、転落というか、転身というか、転がりっぷりがすごい。
東大の受験で、カンニングを疑われて失格し、
周囲の期待の大きさから「このまま家には帰れない…」と思いつめてしまうところまでは、
「まぁ、あるかな…」と思ったけれど、そこからあれよ、あれよといううちに、
原発の点検作業員として働くって、なんでそうなっちゃう??
セリフの掛け合いは、笑ってしまうぐらいノー天気なところもあるし、
小説だからこそ、気楽に読んでいられる展開だけれど、
これって、どこまで現実に近づけて書いてあるんだろう…と思うと、
途中ぞっとしてしまうところもあった。
でも、まぁ、全体的には青春小説で読後感は悪くない。
あと、暴力と性がわりと生々しく描かれているわりには
(とくに暴力が「そこまではいらんわ」と思ったりするところもあったのですが)、
すがすがしさと愛嬌がある。
その理由は、主人公の山下くんが、素直でかわいげのある人物として、描かれているからだと思う。
あとは、セリフの力が大きいと感じた。
大学のころに男子同士がちょけて(ちょけるって方言かな)もりあがってるときの会話を、横で聞いてる感じがした。
小説って、ストーリーを運んでいかないといけないので、
どうしても会話がわざとらしくなりがちだけれど、それを感じへんかったなぁ。
「あほやなー」って感じが、私が言うのもなんですが、空気感がすごく出てて、うまい。
冷静に状況を考えると、「どうなん?これ」とか「きっついなぁ、、」と思ったりもしたのですが、
大阪弁のせいか、軽みがあって、思わず笑ってしまうパワーがあった。
また、主人公が「キミ」(主人公の片思いの相手という設定。名前は登場しない)にあてた手記という体裁も、まるで読者に語りかけているように感じさせる効果があって、うまいなぁと。。
でも、じゃあ、花村萬月さんのほかの作品も読むか…と聞かれると、
今は、もうお腹いっぱいな感じやねんけど。