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権利の上に眠る者

「ビリーブー未来への大逆転」見たいなぁと思っていたら、アマプラに入っていたので早速視聴。
事実に基づいたストーリーなので、「いかにも映画的」な泣かせる展開がなくて、テンポよく見られた。
めちゃくちゃ感動したか、と言われると、実はそうでもなかったのだけれど、じわじわと効いてくる感じ。

ルース・ベイダー・ギンズバーグ、昨年2020年9月に87才で亡くなるまで連邦最高裁判事であった彼女の原点ともいえる「チャールズ・モリッツ」訴訟。女性の権利向上を重視する彼女が法廷で闘ったのは、「独身」で親の介護をする「男性」の介護費用控除の適用の是非だった――。
実話だけに、地味だけど「性差別とは何か」という根深さというか根本をとらえている気がして、ぐっときた。

小さいころから当たり前に刷り込まれている価値観に疑問を持つことは難しい。
ある一定の年齢になったら誰でも結婚するもの、そして親の介護は妻が担うもの、というその時代(今もメジャー)の前提がまずあって、マジョリティーでありさえすれば、介護費用控除はありがたいもの。
だけど「独身で男性」であっても、親の介護はする。そこに男女の差はない。では、すべての介護者が控除を受けられるようにすべきではないか。ある意味すごくまっとうでシンプル、議論の余地もないように思えるけれど、その権利を裁判所が認めれば、法律がこれまで男女差別を認めていたということになる――。果たして裁判はどう決着するのか…というところが、ストーリー肝の部分。

見終わって、私も考えてしまったよ。
今まで私が当たり前として受け入れてしまっていたことは、実は当たり前ではなかったんじゃなかろうかということに。
法律は、「権利の上に眠る者は救済しない」。男女関係なく人として、少しぐらいは目覚めるべきなのかもしれない、そんなことを考えたストーリーでした。
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