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情報のデザイン [コトバとデザイン]

5月6日の記事で、デザインは言葉による説明も大切なんだということを力説したけれど、
実はアートの世界でも言葉による説明は必要とされている。
美術館・博物館の作品のヨコに付けられている説明書きや音声ガイドなどがそれ。

以前、ミュージアムの展示デザイナーに取材をしたときに、展示デザインとは「モノを見せるためのデザイン」をすることで、それは大きく2つに整理できるという話を聞いた。
1つ目は、展示されるモノと人をとりまく「空間」をデザインすること。
もう1つは、モノに関する「情報」を伝えるためのデザインをすること、なのだそうだ。

空間をデザインすることについては、何となくイメージできるけれど、
「情報をデザインする」とは、具体的には何をしているのか。
簡単に言えば、展示テーマの解説パネルや作品の横についている説明書きのデザインをしている、ということになるのだけれど、「じゃ、それってグラフィックデザインのこと?」というと、そうでもない。もちろんそれも含むけれど、もっと大きな意味でのデザインを指している。

たとえば、見せる側の学芸員さんとしては、楽しんでもらいたいので説明をたくさん書きたい。
でも、詳しく書きすぎると、説明を読むために人の流れが止まってしまう。
混雑が予想される企画展でそんなことが起きると、モノを見たいと訪れた人が結局楽しめなくなってしまう。

さて、そこで、どうするか。

遠くからでも見えるようにパネルの大きさや置く位置を工夫したり、説明の文章量を少なくしたりして、動線のコントロールを考えるんだそうだ。
つまり、「情報」の伝え方からデザインするということだ。
見た目の美しさや、読みやすさだけではなく、人の動線まで配慮したデザイン。深い!

自分の仕事に関連させれば、Webデザイン・Webライティングも、領域としては近いところにあると思う。どう見せたら、どう情報を伝えたら、1番目的にかなうのか。

そんなことをつらつらと考えていると、社会心理学や認知心理学の世界を思い出して、学生時代に戻ったようで楽しくなってきた。これをつきつめて方法論を確立すれば、もしかしてスゴイWebライターになれるかも(妄想?)。

もう1つ、上の取材で面白かったのは、ミュージアムにやってきて、作品やモノよりも、説明を熱心に読んで満足して帰っていく人が結構な数いるという話。

実はこれ、私も思いあたる!
「せっかくだから、作品が作られた背景まで味わいたい」と欲張って、熱心に解説を読んで、肝心の作品の前では、「へー、そうか」と情報確認するだけで終わってしまう。
でも、「満足して帰る」というところにポイントを置けば、説明を読んで帰る人(=私)だって、十分目的を果たしているともいえる。
説明全くナシで、アートが楽しめるかというと、そこまでの知識はないしね。

なんか、まとまりがつかなくなってきたけれど、情報のデザイン(説明のデザインや、コトバのデザインと言い換えてもいいかも)は、これからの私のテーマだということだ。

思いのほか、長くなってしまった。
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